真家建築工房では、たとえご予算が少ない場合でも、1部屋だけは内装を自然素材で仕上げるサービスを行っております。それは、自然素材の内装材こそ、「本来の普通」だと思っているからです。
そして、「今の普通」の素材よりは、少し高いので、価値を感じて頂けるお客様には、追加変更して頂きたいと思っているのです。
「うちは予算がないから普通でいいです」というと、床は合板フローリング、壁・天井はビニールクロスで仕上がった家になります。しかし、合板フローリングは、薄くスライスした木材を接着剤で張り合わせたもの。ビニールクロスは、本物のクロスを真似て作った石油製品です。
接着剤で張り合わせた合板と、石油から作った塩ビの壁紙が、本当に普通でしょうか? 確かに、大手ハウスメーカーも地元工務店も、「普通」というと、合板フローリングとビニールクロスになるので、普通と言えなくもないですが、真家建築工房は、自然素材が「本来の普通」だと考えています。
しかし、「過剰な品質」を、希望されないお客様に押し付けることは、価格を高くするか、トラブルの原因となるので、家族の大事な空間の1室だけでも自然素材にするという提案をさせて頂いているのです。
本物の自然素材と、今の普通建材との違いを丁寧に説明をし、違いについてご理解していただくように努めます。
普通のフローリングというと、「合板」を指すほど、合板フローリングが一般化しました。複合フローリングとか、カラーフロアー、高耐久フローリングといった呼び方もされますが、いわゆる接着剤で固めた新建材です。
しかし、本来フローリングは、「無垢の木」で出来た床材の筈でした。乾燥や加工が悪いと反ったり割れたりということがあり、無垢の特性を説明できないプロと、ちょっとのことでクレームにするユーザーによって、無垢はメンテナンスが大変といったレッテルが張られて今日に至っています。
ところが、キチンと乾燥させ、丁寧に加工された製品は、反ったり割れたりといった大きなトラブルは起きにくいです。
確かに床材そのものの価格が高いということと、施工に手間がかかるので、合板フローリングより多少高くなりますが、5年10年で色褪せたり、剥がれたりする合板フローリングと比較すると、耐久性があるので、かえって経済的だとも言えます。
しかも、無垢フローリングは、合板フローリングと違って、経年変化が美しく、キズも愛しいものに変わっていきます。「キズは家族の歴史と思い出」無垢フローリングには、そんな魅力があります。
本物の畳が、ワラで出来ていたことを知る人も少なくなりました。また、畳の部屋そのものも減っているので、そんなことどうでも良くなっているのかも知れませんが、「本物の畳」は、藁の床(とこ)で出来ています。
弾力性があって、調湿性もあるので、足がしびれず、寝心地も良いのです。
しかし、一般に流通している畳の90%以上は、化学畳です。スチレンという石油を発砲させた床や、木材を粉砕し固めた床が中心です。
畳の表面に張ってあるものは、畳表と呼ばれますが、これは、イグサと呼ばれる植物を反物のように織ったものです。もともと日本古来の植物ですが、今や中国産が80%以上を占めるほどになってしまいました。
さらに、ナイロンや紙で出来た畳表も出来る始末で、CO2を吸収したり、調湿性能を発揮したりといった機能を備えた天然素材は減る一方です。
しかも、畳表は栽培の段階で使われた農薬や防虫剤が残留し、加工の段階で着色剤が使われるので、「普通の畳表」は、安全性が疑問視されるのです。今や、本物の藁床で出来た畳は、貴重品になってしまいましたが、まだ「民芸品」になるほどではありません。かろうじて、本物のワラの畳も手に入るのです。
壁紙のことをクロスと言いますが、クロスとは布のことです。というのも、本来は、織った布に紙を裏打ちしたものが、クロスだった訳です。
しかし、「早い、安い、施工性が良い」ということが要求され、布で出来た本物のクロスを真似て、塩ビで作ったビニールクロスが出来たのです。
ほぼ90%のお宅が、ビニールクロスですから、確かに「普通」のことになったのかも知れませんが、ビニールクロスの最大の問題点は、調湿性がないということです。そのため、部屋に湿気がこもり、カビやダニを誘発すること、そして、製品から揮発する化学物質により、シックハウス症候群を引き起こす可能性があることです。
シックハウス問題に関しては、2003年に「シックハウス規制法」が施行され、壁紙に関してもF☆☆☆☆(エフ・フォースター)であることが義務付けられるようになりました。つまり、有害なホルムアルデヒドの揮発量が、大幅に規制されたのです。
しかし、規制されたのは、ホルムアルデヒドだけなので、たとえF☆☆☆☆であっても、規制されていない化学薬品は使われているのです。
では、「本来のクロス」である「布で出来たクロス」というのは、どのような製品かというと、昔と同じように布を織って、紙を裏打ちして作っています。
生産されている量は多くありません。しかも、原料が高く、手間暇もかかるので、ビニールクロスよりは施工賃も高く、結果として材工価格は、ビニールクロスより高くついてしまいます。
しかし、布なので、丈夫であること、調湿性能があること、有害な化学物質は揮発しないことなどが長所としてあげられます。布なので、若干ジョイントが目立つ場合もありますが、それは「本物の証」と、割り切って頂くといいと思います。
ビニールクロスが「普通」になってからは、「布クロス」も「塗り壁」も、少数派の仕上げ材になってしまいましたが、「塗り壁」の豪華さ、美しさ、快適さはワンランク上の内装仕上げ材です。
しかし、壁の下地が「土」で出来ていた時代と違って、ほとんどのお宅の壁下地は「石膏ボード」です。これは、自然素材を得意とする工務店も、ビニールクロスを標準的に使っているハウスメーカーも同じことです。
壁を漆喰にすると、調湿性があって、室内が快適になると考える方も多いと思いますが、漆喰そのものは調湿性能の高い素材ではありません。昔の家で、漆喰が調湿したのは、下地が土壁だったからです。
今のように、壁の下地が100%石膏ボードの場合、表面に1mmとか2mm塗る仕上げ材の性能によって、調湿するかしないかが決定されるのです。
調湿する内装材には、JIS規格で決まりがあって、1㎡当たり、24時間で70g以上の調湿性能がないと、調湿建材と呼べないことになっています。一般的な漆喰は、調湿量が40g/㎡/24h程度しかないので、調湿建材とは呼べません。
調湿性能に関していえば、珪藻土系の塗り壁材の方が圧倒的に性能が良いと言えますが、珪藻土の含有量、固め方によっても調湿性能は左右されるので、珪藻土であれば、どの製品でも、調湿性能に優れているという訳ではないのです。
漆喰系の塗り壁材は、表面がツルっとしており、珪藻土系の塗り壁材は、ゆず肌になる。また、表面がマットに仕上がったり、艶が出る仕上がりになる製品など、各種の製品が出回っているのです。
本物の珪藻土は、調湿性能基準の3倍程度、24時間で200g以上の調湿性能があります。珪藻土系の塗り壁材には、施工性能をよくするために化学樹脂を混ぜてあるものもあり、調湿性能はガクッと落ちてしまいます。
真家建築工房では、メーカーに確認を取り、化学樹脂や調湿性能を落とすような物質が入ってないか確認し、ほんとうに安心して提案できるものを使用しています。
家の価値は、内装材で決まります。子育て世代の方であれば、特に、自然素材を取り入れた家にしたいとお考えのことだと思います。しかし、自然素材は高い、私には無理。だから「普通の家」でいいことにしよう。そう考える方が多いと思います。
しかし、合板フローリングと、ビニールクロスは普通ではありません。ほかの人も皆、そうだから、「私も仕方ない」「高望みじゃないのか?」そのように、諦める理由を探して欲しくないのです。
いくら自然素材が高いからと言って、内装だけを、ほんのちょっと変更しただけで手が出なくなるということはあり得ません。
多くの一般的な工務店やハウスメーカーでは、無垢材や塗り壁をユーザーに勧めることで、あとのメンテナンスが面倒だと考えて、「諦めさせる」方向に誘導しているだけなのです。自然素材にしたいという気持ちを諦めないでください。
差額程度の金額で、自然素材を取り入れた家は建ちます。詳しいことは、真家建築工房にお問合せください。無料で差し上げられる資料もありますし、わかりやすく説明できる実験キットもあります。